2017年2月27-28日、東京市ケ谷のJICA地球ひろばにて、NGOスタッフを対象に個人向け現場での安全対策研修(Personal Security in the Field Training)を開催しました。日本国内でこのような研修を受ける機会が限られている中、初の取り組みとして、広島平和構築人材育成センターに実施を依頼し、eCentre、ジャパン・プラットフォームの協力を得て実施しました。
27名の参加があり、今後海外赴任や出張を予定している方、海外事務所からこの機会に一時帰国した方や来日した現地採用職員、過去にこのような研修を受ける機会がなかった本部スタッフ等、経験、職責、国籍も様々な方々の参加がありました。担当事業の実施地域もパレスチナ、イラク、アフガニスタン、バングラデシュ、ミャンマー、南スーダン等15ヵ国に及び、日本のNGOスタッフが様々な地域で安全上の課題に直面していることが浮き彫りとなりました。またJaNISSメンバー団体以外で3団体から参加があり、内1団体は中国地方からの参加であったことから、JaNISSの活動が少しずつ地域を超えて広がっていることを感じさせてくれました。
講師は、過去にUN OCHA、eCentre、外務省平和構築人材育成事業等で講師を務めてきたLouise Robinsonと、eCentreコーディネーターとしてまた個人として日本のNGOのキャパシティ・ビルディングに貢献して来たJohn Campbellが務め、参加者の活動地域と内容、経験、関心に合わせて、講義を演習を展開してくれました。
参加者からは、海外に渡航する際の意識が変わった、基本的な事項だが体系的に深く学ぶことができた、NGOスタッフ以外にもこのような研修を提供することが残念ながら必要な情勢になっているのではないか等の感想が聞かれました。
今後日本のNGOの実情に合わせて、このような研修の機会を定期的に設けて行く必要性が確認されると共に、日本語での研修の提供、地方の団体が参加しやすい仕組み作り、オンラインコンテンツの開発等の課題についても、今後取り組んで行くべきとの認識が深められました。
[日時] 2017年2月27日(月)9:30-17:15、2月28日(火)9:30-17:00
[場所] JICA地球ひろば(市ケ谷)
[主催] NGO安全管理イニシアティブ(JaNISS)
[実施] 広島平和構築人材育成センター(HPC)
[協力] eCentre、ジャパン・プラットフォーム(JPF)
[講師] Louise Robinson氏, John Campbell氏
[使用言語] 英語
[参加者数] 27名
[内容] リスク分析、渡航計画、誘拐への対応、現場での通信、群衆への対応、性的暴力への対応、
紛争地での危険対応、危機発生時の初動対応、心理的準備等
[成果] 27名がフィールドでの安全対策について知識を整理して深め、修了証を受領。また今後の研修ニーズとコースの改善点が把握されると共に、実施に関するノウハウやネットワーク構築を進めることができた。