人道・開発支援における支援従事者の危機管理・安全管理は、交通事故、感染症、犯罪、自然災害等多岐の事象に渡り、活動の根幹に関わる問題です。さらに2010年代以降、各地の治安状況は厳しさを増し、一昨年のバングラデシュでの事件で見られたように、従来日本の支援団体にとって安全度が高いとされて来た開発支援の現場でも、新たな対策が必要となって来ています。
(特活)難民を助ける会(AAR)は、NGO安全管理イニシアティブ(JaNISS)と協力して、平成29年度外務省NGO研究会のテーマ「日本のNGOの安全管理における課題の把握と政策の提言」を受託し、大阪、福岡、東京、名古屋の計4カ所で安全管理ワークショップを開催し、全国各地域でNGOへの個別の聞き取りを実施しました。
本調査では、欧米のNGOや国際機関が蓄積して来た安全管理の知見に照らして、日本のNGOはどのような課題を抱え、またどのようなグッド・プラクティスがあるのかを探ると共に、今後に向けた提言を行うとするものです。本シンポジウムで予定している主な論点は以下の通りです。
- 2010年代以降の人道危機と援助関係者のリスク増大の動向、留まって支援を届ける必要性
- 安全管理と人道原則の相関性、人道的スペース・NGOスペース確保の重要性
- 国際人道支援機関の安全管理の実践例
- 日本のNGOの課題(人材確保、組織体制整備、情報と研修、支援従事者以外(ボランティア等)の安全管理等)とグッドプラクティス
- メディア、市民社会のセキュリティ・リテラシー
皆さまのご参加をお待ちしています。
【日時】 2018年2月28日(水)10:30-12:30 (受付開始・開場 10:00)
【場所】聖心女子大学 4号館 / 聖心グローバルプラザ 3階 ブリット記念ホール(東京都渋谷区広尾4-2-24)
【主催】(特活)難民を助ける会(AAR)、NGO安全管理イニシアティブ(JaNISS)
【協力】外務省、国連難民高等弁務官事務所
【言語】日本語、英語 (同時通訳あり)
【参加申込み】以下のURLからお申込みください: http://kokucheese.com/event/index/506175/
【対象】国際協力NGOや、海外に人を派遣している市民社会組織のスタッフ、行政、国際機関、専門家、学生、メディア等、国際協力活動における安全管理に関心を有している方
【プログラム】
開会の辞・論点の設定(10:30-10:45)
長 有紀枝 (立教大学教授)
NGO研究会調査報告(10:45-11:05)
穂積 武寛 (AARプログラム・マネージャー)、折居 徳正 (JaNISSコーディネーター)
講演:国際人道支援機関の安全管理の実践例 (11:05-11:35)
ダーク・へベカー (国連難民高等弁務官駐日事務所代表): UNHCRの実践例
リン・シュレーダー (赤十字国際委員会駐日事務所代表): ICRCの実践例
パネル討論 (11:35-12:20)
モデレーター: 山本 英里 (シャンティ国際ボランティア会 事業サポート課 課長)
ダーク・へベカー (国連難民高等弁務官駐日事務所代表)
リン・シュレーダー (赤十字国際委員会駐日事務所代表)
長 有紀枝 (立教大学教授)
佐藤 真美 (ハンガー・フリー・ワールド 海外事業マネージャー)
折居 徳正 (JaNISSコーディネーター)
外務省からのコメント (12:20-12:25)
牛尾 滋 (外務省国際協力局審議官)
閉会の辞 (12:25-12:30)
穂積 武寛 (AARプログラム・マネージャー)
※本イベントは非公開です。チャタムハウスルールのもと、参加者は本イベントで得た情報を外部で自由に使用することができますが、発言者とその所属機関を含む情報の出所を明らかにすることはできません。
申込み・内容・取材に関する問合せ先
NGO安全管理イニシアティブ(JaNISS)
janiss-info[at]janiss.net