JaNISSでは、このたび災害人道医療支援会(HuMA)との共催により、日本のNGOが活動する途上国の現場と組織体制を踏まえた、NGO向けファーストエイド研修を初めて開催し、30名のNGOスタッフの参加がありました。開催に際しては、HuMAの医師、救急救命士に指導を頂いた他、日本体育大学保健医療学部救急医療学科から最新の研修施設の提供と、21名の学生のインストラクターのご協力をいただきました。
プログラムは、どのような環境でも最低限必須となり、法的、医学的にも適切な心肺蘇生法と外傷対応・止血、及び救急時の記録のとり方に関する基礎的な知識・技能の習得を目的に、講義と実習を組み合わせて行われました。実習の際は、参加NGOスタッフ3-4名に対し、学生のインストラクターが2-3名つき、基本動作の反復や人体の実際の反応の確認、さらにAED、包帯、止血帯等の使い方について実演を交えながら丁寧にサポートしていただき、大変好評でした。また、参加者側からは、医療体制や通信・道路事情が日本のように整っていない現場での体験も共有され、講師や学生の皆さんも日本国内とは異なる状況下での救命救急の在り方を知る機会ともなりました。
参加者の方からは「異なる文化・習慣のある国で、どのように応急処置をおこなえばよいのか」、「心肺蘇生を行っても、医療機関への搬送が期待できない状況の場合、どこまですれば正解なのか」など、日ごろ感じている疑問や不安が共有され、講師や参加者同士で話し合う機会ができたことが有意義だったとの声が聞かれました。
JaNISSとHuMAでは今回の成果をふまえて、よりNGOのニーズに合致した内容を検討した上で、次回第2回の研修開催(2019年2月予定)に向けて、取り組みを進めていきます。